前回、数学は豊かにするという記事で、「数学なんて学んで人生の何の役に立つのか」ということは、論理的思考力を鍛えるられるので本質的に見ると誤りであるという話をしました。
その際に表面的には大体正しいということも言いましたが、今日は表面的にも誤りである例をあげたいと思います。
数学という学問も、人生の様々な場面で役に立つ単元があります。それは「確率」です。
先の記事を読んで尚、数学なんて役に立たねーよと思う人も、この二つだけは学んでおいた方が身のためです。
最近よく話題に上がっている「1万人に一人が罹患している病気を、正しい結果が99%で出る検査を1億人が受診し、陽性と出た人が本当に陽性である確率は?」みたいな問題も、確率の単元の一つである条件付き確率というものです。
この問題の答えはおよそ0.98%で、偽陰性が100人ということになるのですが、こうした机上の空論、非現実的なケースの想定はどうでも良いとして、皆さんのもっと身近に「確率」を活用する場面はあります。
例えば、ソシャゲのガチャで目当てのSSRを引きたい時にどれくらいで引けるのかとか、宝くじ*1や競馬の馬券*2を購入したときの期待値だとか、決め事をするときに8人でじゃんけんしてあいこが出る確率*3とか、です。
ソシャゲのガチャはFGOのダブルピックアップを例に取ってみると、ピックアップされている☆5サーヴァント単体の排出率は0.4%です。
期待値的には250連で引ける訳ですが、250連以内に引ける確率はおよそ64%というのは皆さんも聞いたことがあるかもしれません。聞いたことがない方は必ず覚えてください。
では、1万円(60連)以内に引ける確率はいくつでしょう?
1-(0.996)^60≒21.3%となります。
同様に2万円では38.2%、3万円は51.4%、4万円で61.8%、5万円で70.0%・・・となります。
5万円なくなるまでに引けるかどうかが、ちょうどポケモンでいうかみなりが当たるかどうかくらいの確率なことがわかりました。
では、10万円(600連)に引けない確率はいくつでしょう?
0.996^600≒9.0%となります。
なんと、11回に1回くらいは10万円かかってしまうんですね。怖いですね。
勿論何度も何度も星5ピックアップを挑戦すれば大体期待値の250連(4万2000円程度)には落ち着くのですが、確率が収束するのにはかなり時間がかかります。
だからこそ、ガチャは射幸心が高いのですが・・・。
このように確率を何となく、で捉えるのではなく実際にどれくらいの数値なのか計算する癖をつけることでより実態に即した予想が可能になります。
どれくらいガチャにお金を投じられるかを事前に考えることが出来るため、建設的なお金の使い方を考えられるようになり、人生をより豊かに出来るんですね。
実際にはコンコルド効果なども働いて一度ガチャを始めるとやめられなくなってしまうのですが、それはまた別のお話・・・。